『静岡おみやプロジェクト』
静岡市産学交流センター(B-nest)が主催するこのプロジェクトは、毎年テーマを設け、土産物を通じて静岡の魅力を伝える取組みです。静岡市内の企業が商品開発に携わります。
10回目となる今年度のテーマはなんと静岡浅間神社のおみやげ開発ということで、わたしはこの検討会にアドバイザーとしてお招きいただきました。大変光栄です。ほかにも地元フリーペーパーの編集長、大丸松坂屋百貨店のバイヤー、静岡市観光文化交流局ご担当者、そして静岡浅間神社の神職様も、アドバイザーとして参加されました。
ところでこの静岡浅間神社、宗教法人法にもとづく正式名称を「神部神社・浅間神社・大歳御祖神社」といいます。その名の通り、これら3つの神社が境内にありますが、実際には全部で7社の神社が境内に存在しています。そしてなんと、7社のうち最も古いとされる神部神社の創建は崇神天皇の御代といいますから、2000年以上前になります。また、祀られているご祭神の合計数、なんと56柱。さながら神様テーマパークといったところですか。
当然ながら境内は広いわけです。全7社をお参りしている途中で休憩したくなります。(以下の写真は、商品検討会の前に私が神社に立ち寄って撮影したものです)
(朱色がきれいですね)
おお、境内の中に休憩所がありました。ただいま開発中の商品は、この中で販売されることになるんですね。
(そんなに広くはありませんが、座って食事もできます)
さて、検討会が始まると開発サイドの社長さんらは真剣そのもの。熱い語らいで商品をアピールくださり、熱意が伝わります。一方で、アドバイザー側は美味しいものを次から次へと出され、終始にやけ顔というギャップが生じていました。それはご愛敬。
私も神職兼経営コンサルとして、いろいろアドバイスさせていただきました。やはり神社で売るものなので、静岡浅間神社をもっと好きになってもらえる商品であることが大切だと考えます。ただ単に「神社っぽいもの」ではなく、「静岡浅間神社の特徴を感じさせる商品」であるものであってほしいということです。
静岡浅間神社の名前や土地を借りて販売するものですから、神社側にもメリットをもたらすことができる商品かどうかは一つの判断基準になりそうです。たとえば静岡浅間神社の由緒、ご神徳、ご祭神に関心を持ってもらえるものであるとか。どんな神事、年間行事があるのかわかったりとか、そんな感じです。実際、開発商品の中には静岡浅間神社特有の神事を表現された商品がありました。
静岡浅間神社に限らず、多くの神社は「ハレの日にしか人が来ない」とか、「子供があまり来ない」といった課題を抱えています。ハレの日だけでなく、もっと日常的に気軽に寄ってほしい、子供さんにももっと来てほしいと神職さんは思っています。今回のお土産が、このような課題を解決するものとなれば、神社にとっても嬉しいはずです。
お互いがWin-Winとなるような商品がたくさん生まれたらいいですね。
(皆さん真剣です。香りをかいだり、飲んだり、食べたり、もっと食べたり)
ちなみにこの日の指摘事項を踏まえ、各社またブラッシュアップをはかられるということ。
来年1月くらいに完成品がお目にかかれるということで、今からとても楽しみです。